openSUSE Leap 42.2

リリースノート

openSUSE Leap はお使いの PC やラップトップ、サーバなどで動作する、 Linux ベースの自由なオペレーティングシステムです。 Web の閲覧や電子メール/写真の管理、オフィス作業やビデオ/音楽の再生などを行なうことができます。お楽しみください!

発行日: 2017-07-21 , : 42.2.20170721

リリースノートは定期的に更新されています。最新の情報を読むには、 https://doc.opensuse.org/release-notes にあるオンライン版をご覧ください。必要に応じて英語版は更新されますが、翻訳版については一時的に翻訳が追いついていないことがありますので、あらかじめご了承ください。

openSUSE Leap の旧バージョンからアップグレードした場合は、下記に示す旧バージョンのリリースノートもお読みください: http://ja.opensuse.org/openSUSE:Release_Notes

プロジェクトに関する情報は、 https://www.opensuse.org をお読みください。

本リリースに対してバグを報告する際は、 openSUSE の提供する Bugzilla をお使いください。詳しくは https://ja.opensuse.org/%E3%83%90%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88 をお読みください。

1 インストール

本章には、インストールに関連する説明が書かれています。アップグレードに関する詳しい手順については、下記で公開されている文書をお読みください: https://doc.opensuse.org/documentation/leap/startup/html/book.opensuse.startup/part.basics.html

1.1 最小限のシステムインストールについて

最小インストールのパターンを選択してインストールした際、サイズを肥大化させてしまう様々な推奨パッケージをインストールしないようにするため、不要なパッケージに対して矛盾を設定し、インストールを防ぐためのパターンがインストールされます。このパターンは patterns-openSUSE-minimal_base-conflicts という名称で、システムのインストール後に削除することもできます。

また、最小構成でインストールすると、既定でファイアウオールは無効化されます。必要であれば SuSEfirewall2 をインストールしてください。

1.2 UEFI—Unified Extensible Firmware Interface

UEFI (Unified Extensible Firmware Interface) を利用して起動するシステムに openSUSE をインストールする場合、事前に製造元が推奨するファームウエア更新を必ずチェックし、可能であればインストールしておくことを強くお勧めします。 Windows 8 がプレインストールされているマシンの場合、お使いのシステムが UEFI である可能性が高いものと思われます。

背景 UEFI のファームウエアによっては、 UEFI のストレージ領域に多くのデータが書き込まれることで、起動に失敗してしまうバグを抱えています。もちろんこれはバグであるため、どれだけ 多くの データを書き込むことで問題を発生させるのかは、誰にもわかりません。

openSUSE では、 OS を起動するのに最低限必要となるデータ (UEFI に対して、 openSUSE のブートローダの場所を示すための情報) しか書き込まないようにすることで、このバグの発生を最小化しています。 Linux カーネルのオリジナル版では、 UEFI のストレージ領域に起動やクラッシュに関する情報を書き込む機能 (pstore) がありますが、既定では無効化しています。ただし、バグである都合上、ハードウエアの製造元が推奨するファームウエア更新については、必ずインストールしておくことをお勧めします。

1.3 既定でラベルを利用してマウントするよう設定した場合、インストーラがクラッシュしてしまう問題について

パーティション設定で既定のマウント方法を ラベル に設定した場合、インストーラはエラーを報告してクラッシュしてしまいます。そのため、インストール時にはそれ以外の選択で進めるものとし、インストール完了後に ラベル に切り替えて回避してください。

1.4 UEFI, GPT, MS-DOS の各パーティションについて

EFI/UEFI の仕様には、新しい形式のパーティションテーブル GPT (GUID パーティションテーブル) が定義されています。この新しい方式では、ユニークな GUID (識別子; 32 桁の 16 進数で表わされる 128 ビットの値) を利用してデバイスとパーティション種別を識別します。

これに加えて、 UEFI の仕様では古い MBR (MS-DOS) 形式のパーティションテーブルにも対応しています。 Linux のブートローダ (ELILO, GRUB 2) では、これらの古い形式のパーティションに対して、自動的に GUID を割り当ててファームウエア内に書き込もうとします。この場合、 GUID は頻繁に変更されるものであるため、ファームウエアへの再書き込みも頻繁に発生することになります。この再書き込みには 2 つの操作、具体的には古い項目の削除と、それを置き換えるための新しい項目の作成が含まれます。

また、新しいファームウエアには、削除された項目を収集して古い項目用に確保したメモリを解放する、ガーベージコレクタ機能が用意されています。ファームウエアに不具合があると、これらの古い項目を収集できなかったり、メモリを解放しなかったりする場合があり、これにより起動が不可能になる場合があります。

このような問題が発生した場合は、古い MBR 形式のパーティションを GPT 形式のパーティションに更新して、問題を回避してください。

1.5 Nouveau 3D/DRI ドライバを利用することで KDE アプリケーションがクラッシュしてしまう問題

openSUSE Leap 42.2 では、 2D/3D 描画用の Nouveau Mesa/DRI ドライバが実験的なものとして位置づけられています。ただし、 Nouveau カーネル/KMS ドライバや 2D 描画用の Nouveau X.org/DDX ドライバについては、通常通り安定版として提供されています。

Nouveau Mesa/DRI ドライバを利用した場合、特に KDE や Qt のアプリケーションでクラッシュしてしまう問題が確認されています。そのため、このドライバは Mesa-dri-nouveau というパッケージ名で提供されていて、必要であれば Mesa 全体を削除せずに、ドライバだけを削除することができるようになっています。

このドライバをインストールしない場合、 Nvidia GPU ではハードウエア 3D アクセラレーションには対応できなくなっているほか、高速な 2D 操作機能である Glamor に対応する新しい Nvidia CPU で、 2D のアクセラレーションにも対応できなくなっています。ただし、カーネルモード設定 (KMS) や基本的な 2D 操作のほか、 Kepler というコードネームで販売されている世代の Nvidia GPU (2012 年より販売されています) で EXA を利用した 2D アクセラレーションには対応しています。また、 3D 操作はソフトウエアレンダリングとして動作します。

詳しくは https://bugs.freedesktop.org/show_bug.cgi?id=91632 および https://bugzilla.opensuse.org/show_bug.cgi?id=1005323 のバグ報告をお読みください。

2 システムアップグレード

本章には、アップグレードに関する説明が書かれています。詳しいアップグレード手順については、下記で公開されている文書をお読みください: https://doc.opensuse.org/documentation/leap/startup/html/book.opensuse.startup/cha.update.osuse.html

2.1 openSUSE Leap 42.1 からのアップグレード

2.1.1 削除または置換されたパッケージ

openSUSE Leap 42.1 と比較すると、本バージョンでは下記のパッケージが廃止または置換されています:

  • arista: transmageddon に置き換えられています。

  • cadabra: 構築対象から外されています。後継である Cadabra 2 も、まだ不安定な状態です。

  • dropbear: openssh と比べて特に大きな利点がなくなってしまったため、削除されています。

  • emerillon: gnome-maps に置き換えられています。

  • gnome-system-log: gnome-logs に置き換えられています。

  • hawk: hawk2 に置き換えられています。

  • ksnapshot: spectacle に置き換えられています。

  • labplot: labplot は Qt5 版に置き換えられ、 labplot-kf5 という名称になっています。 openSUSE Leap 42.1 で labplot をインストールしている環境から更新する場合は、 labplot-kf5 が自動的にインストールされます。

  • nodejs: nodejs4 に置き換えられています。

  • psi: psi+ に置き換えられています。

  • python-moin: moinmoin-wiki に置き換えられています。こちらは純粋にパッケージ名だけを変更しただけであり、バージョンアップグレードではありません。そのため、その場で置き換えて使用できるはずのものです。

  • ungifsicle: gifsicle に置き換えられています。

  • xchat: hexchat に置き換えられています。

2.1.2 /var/cache に対する独自のサブボリュームへの移動について

/var/cache には、それぞれの更新に対応する様々なバージョンの RPM パッケージや、 Zypper のキャッシュなど、頻繁に書き換えられるデータが多数存在しています。スナップショットのように冗長性を確保している環境下で、このように頻繁な更新が発生してしまうと、スナップショットのディスク領域が容易に肥大化してしまいます。

この問題を解決するため、 /var/cache を個別のサブボリュームに配置するようにしました。 openSUSE Leap 42.2 を新規にインストールした場合、この配置は自動的に行なわれます。既存のルートファイルシステムを本件のように変更したい場合は、下記のような手順を実施してください:

  1. まずはルートデバイスに対応するデバイス名 (たとえば/dev/sda2/dev/sda3 など) を判断します:

    df /
  2. 次に、他の全てのサブボリュームに対する親サブボリュームを判断します。 openSUSE 13.2 の場合、 @ という名前のサブボリュームです。 @ という名前のサブボリュームが存在するかどうかを判断するには、下記のようにします:

    btrfs subvolume list / | grep '@'

    上記のコマンドを実行しても何も出力されない場合、 @ という名前のサブボリュームが存在していないことを表わします。このような場合、古い openSUSE のバージョンで利用されていた、サブボリューム ID 5 を利用することができます。

  3. 次に必要なサブボリュームをマウントします。

    • @ という名前のサブボリュームが存在している場合は、下記のようにして一時的なマウントポイント内にマウントします:

      mount <ルートデバイス> -o subvol=@ /mnt
    • @ という名前のサブボリュームが無い場合は、代わりにサブボリューム ID 5 をマウントします:

      mount <ルートデバイス> -o subvolid=5 /mnt
  4. ここまでの作業で、 /var/cache ディレクトリが /mnt/var/cache に現われるようになります。 データを失わないようにするには、まずは下記のようにして移動します:

    mv /mnt/var/cache /mnt/var/cache.old
  5. 次に新しいサブボリュームを作成します:

    btrfs subvol create /mnt/var/cache
  6. あとは /var/cache.old に移動しておいたデータを、新しく作成した場所に移動しなおします:

    mv /var/cache.old/* /mnt/var/cache

    もしくは、下記のように実行してもかまいません:

    mv /var/cache/* /mnt/var/cache/
  7. 古いディレクトリ /mnt/var/cache.old を削除します:

    rm -rf /mnt/var/cache.old
  8. 一時的なマウントポイントに存在しているサブボリュームのマウントを解除します:

    umount /mnt
  9. /etc/fstab 内に、新しく作成した /var/cache サブボリュームの項目を追加します。既存のサブボリュームの項目を雛型にして追加してください。ただし、 UUID (ルートファイルシステムの UUID) については変更せず、サブボリュームの名前とマウントポイント (/var/cache) のみを変更してください。

  10. 最後に /etc/fstab 内に設定した新しいサブボリュームをマウントします:

    mount /var/cache

2.1.3 GNOME Keyring と GPG の統合の中止について

GNOME Keyring における GPG エージェントとの統合機能は削除されました。そのため、 GNOME Keyring を GPG 鍵の管理として使用することはできなくなっています。 GPG 鍵を管理したい場合は、コマンドラインの gpg ツールをお使いください。

2.1.4 GNOME で利用している場合、 Synaptics X ドライバがタッチパッドの操作性を悪化させてしまう

Leap 42.1 では、 Synaptics X ドライバ (パッケージ xf86-input-synaptics) が既定でインストールされますが、 libinput のドライバ (パッケージ xf86-input-libinput) より低い優先度に設定されてしまっています。

Leap 42.2 およびそれ以降:

  • Synaptics X ドライバは既定ではインストールされなくなっています。

  • Synaptics X ドライバがインストールされている場合は、任意の他のタッチパッドデバイスより優先して動作します。

  • GNOME 環境では Synaptics X ドライバはサポートされなくなりました。言い換えると、Synaptics タッチパッドを利用しても、基本的なマウス機能の範囲のみを設定することができます。

Synaptics タッチパッドをご利用の場合で、 Synaptics ドライバに固有の設定を多数実施している場合を除き、システムからパッケージを削除してください:

sudo zypper rm xf86-input-synaptics

2.1.5 AArch64: openSUSE Leap 42.1 から openSUSE Leap 42.2 への移行によって、ページサイズが変更される問題について

AArch64 プラットフォームを利用した openSUSE Leap 42.1 では、既定のページサイズが 64 kB に設定されていました。 openSUSE Leap 42.2 ではそれが 4 kB に変更されています。これにより、従来のバージョンで利用していたスワップ領域と btrfs ファイルシステムが利用できなくなってしまいます。

AArch64 で openSUSE Leap 42.1 をご利用の場合は、 openSUSE Leap 42.2 をアップグレードではなく新規インストールでお使いいただくことをお勧めします。

2.1.6 CCISS コントローラを使用しているシステムで、アップグレード後に起動できなくなってしまう問題について

Compaq/HP Smart Array (CCISS) コントローラ (cciss.ko) は、既定では特定のコントローラに対応しなくなっています。そのため、 openSUSE Leap 42.2 のカーネルでルートディスクを検出できない場合があります。

このようなシステムの場合、 CCISS ドライバに設定を行ない従来の動作に戻すことで、コントローラが検出できるようになります。従来の動作に戻すには、カーネルパラメータ cciss.cciss_allow_hpsa=0 を追加してください。

2.2 openSUSE 13.2 からのアップグレード

openSUSE 13.2 もしくはそれ以前のバージョンからのアップグレードの場合、下記のリリースノートをお読みください。それ以外にも、 2.1項 「openSUSE Leap 42.1 からのアップグレード」 で提供されている情報もあわせてご覧になることをお勧めします。

2.2.1 ネットワークインターフェイスの命名について

ネットワーク上離れたリモートのマシンを openSUSE 13.2 からアップグレードする場合は、ネットワークインターフェイスが想定通りに命名されているかどうかをご確認ください。

openSUSE 13.2 では「予測可能な」形態でネットワークインターフェイスの命名を行なっていました (例: enp5s0) が、 openSUSE Leap 42.1 では固定のインターフェイス名 (例: eth0) を使用するようになっています。そのため、アップグレードして再起動を行なうと、場合によってはネットワークインターフェイスの名前が変わってしまい、これによってシステムにアクセスができなくなってしまうことがあります。インターフェイス名が変わってしまうことを防ぐには、システムを再起動する前に、各ネットワークインターフェイスに対して下記のコマンドを実行します:

/usr/lib/udev/udev-generate-persistent-rule -v -c enp5s0 -n enp5s0 -o /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules

なお、上記の enp5s0 を、お使いの環境のネットワークインターフェイス名に置き換えてください。

2.2.2 Btrfs: システムを巻き戻し (ロールバック) した際のディスク領域の開放漏れについて

既定では、 openSUSE 13.2 で Btrfs のパーティションレイアウトを使用した環境で初回のシステムのロールバック (巻き戻し) を実行した際、ディスク領域内にアクセス不可能な無効領域が生じてしまいます。このレイアウト問題は openSUSE Leap 42.1 で解決されていますが、この修正は新しくインストールしたシステムにのみ適用することができます。

openSUSE 13.2 からアップグレードする場合、ファイルシステムを新しいレイアウトに変換することはできませんが、失われたディスク領域を取り戻す方法があります。

警告
警告: 非標準の設定やロールバックを行なわない場合のデータ損失について

下記の手順は、 openSUSE 13.2 のインストーラが作成する既定の提案に従い、システムをセットアップした場合にのみ正しく動作します。

上記に加えて、あらかじめシステムのロールバックを実施しなければなりません。

btrfs を標準以外の設定で作成した場合や、これまでにシステムのロールバックを作成していない場合、下記の手順を実施するとデータの損失が発生します。

  1. まずはルートファイルシステムをマウントします:

    mount /dev/<ルートファイルシステム> -o subvolid=5 /mnt
  2. サブボリューム内に存在しない /mnt 以下のファイルを全て削除します:

    find /mnt -xdev -delete
  3. 再度ファイルシステムのマウントを解除します:

    umount /mnt

2.2.3 印刷システム: 改善点と互換性を失う変更について

CUPS バージョン 1.7 へのアップグレードについて

openSUSE 13.2 における CUPS 1.5 と比べると、 CUPS 1.7 では大幅な変更が加えられたことにより、手作業による設定調整が必要となる場合があります。

  • 現在は標準の印刷ジョブ形式が PS ではなく、 PDF になっています。そのため、旧来の PostScript プリンタで印刷を行なう場合は、新たにフィルタを設定する必要が生じています。

    詳しくは http://ja.opensuse.org/印刷処理 をお読みください。

  • ネットワークプリンタの検出プロトコルが変更されました。新しいネイティブなプロトコルは DNS Service discovery (DNS-SD, つまり、 Avahi 経由) をベースにした仕組みになりましたが、 cups-filters パッケージで提供される cups-browsed サービスを利用することで、従来のプロトコルとの間で橋渡しを行なうことができるようになっています。 "従来の" クライアントからプリンタを発見できるようにしたい場合 (LibreOffice や KDE からの印刷を含みます) は、 cupsdcups-browsed の両方を動作させる必要があります。

  • IPP プロトコルの既定のバージョンは、 1.1 から 2.0 となりました。 CUPS 1.3.x のような古い IPP サーバ (たとえば SUSE Linux Enterprise 11 など) を利用して印刷する場合、 IPP 2.0 リクエストを Bad Request として拒否してしまいます (詳しくは http://www.cups.org/str.php?L4231 をお読みください) 。

    古いサーバから印刷できるようにするには、 IPP プロトコルのバージョンを明示的に指定する必要があります。下記のいずれかの箇所で、末尾に /version=1.1 を追加してください:

    • client.conf 内の ServerName 設定 (例: ServerName older.server.example.com/version=1.1) 。

    • CUPS_SERVER 環境変数の値。

    • コマンドラインツールの -h オプションで指定するサーバ名の値。たとえば下記のように指定します:

      lpstat -h older.server.example.com/version=1.1 -p
  • いくつかの印刷フィルタやバックエンドは、 cups パッケージから cups-filters パッケージに移動されています。

  • いくつかの設定ディレクティブが、 cupsd.conf から cups-files.conf に分離されています (それぞれ http://www.cups.org/str.php?L4223, CVE-2012-5519, https://bugzilla.opensuse.org/show_bug.cgi?id=789566 をお読みください) 。

  • また、 CUPS のバナーとテストページについても、 cups パッケージから cups-filters パッケージに移動されています (詳しくは http://www.cups.org/str.php?L4120 および https://bugzilla.opensuse.org/show_bug.cgi?id=735404 をお読みください) 。

3 全般

本章では、他の分類に属さない openSUSE Leap 42.2 関連の一般的な問題を説明しています。

3.1 個人情報管理 (PIM) 用の KDE ソフトウエアについて

openSUSE Leap 42.2 では、 2 種類の PIM (Kontact, KMail など) スイートを提供しています:

  • 以前より提供されている 4.x バージョン

  • KDE フレームワーク 5 をベースにしたバージョン

KDE PIM 4.x は提供元である KDE プロジェクトでは既にサポートが提供されていませんが、 openSUSE ではユーザの混乱を防ぐために従来どおり提供されています。

なお、 KDE PIM として提供されている 2 種類のバージョンは、同時にインストールすることはできません。また、 KNode (knode パッケージ) などのソフトウエアでは、従来の 4.x バージョンを必要とする仕組みになっているため、 KDE PIM 5.x (たとえば kmail5 パッケージなど) をインストールすると、これらもアンインストールされてしまいます。

KDE PIM 4.x は次期バージョンの openSUSE Leap で削除される予定です。そのため、新しい 5.x バージョンに移行することをお勧めします。

しかしながら、古いバージョン向けの設定を全て新しいバージョンに移行することはできません。詳しくは https://bugzilla.opensuse.org/show_bug.cgi?id=1001872 に書かれているバグ報告をお読みください。

3.2 Dolphin が拡張パーミッションビットを設定しない問題について

openSUSE Leap 42.2 に同梱されているバージョンの KDE ファイルマネージャ Dolphin では、 拡張パーミッション (GID, スティッキー ビット) を設定することができません。また、 Dolphin のパーミッションダイアログでOK を押して閉じると、既存の拡張パーミッションビットを消去してしまいます。

このような問題を回避するには、 Konqueror (GUI) もしくは chmod (コマンドライン) のみをお使いのうえ、必要な作業を行なってください。

3.3 GDM 以外を利用した場合に GNOME Shell でスクリーンロックができない問題について

SDDM や LightDM など、 GDM 以外のログインマネージャを利用してログインし、 GNOME Shell を利用した場合、画面をブランクにしたりロックしたりすることができなくなってしまいます。また、ログアウトせずにユーザを切り替える機能も、動作しなくなってしまいます。

GNOME Shell で画面をロックできるようにするには、下記のようにしてログインマネージャを GDM に切り替えます:

  1. まずは gdm パッケージがインストールされていることを確認します。

  2. 次に YaST を開いて、 /etc/sysconfig エディタ を開きます。

  3. Desktop › Display manager › DISPLAYMANAGER を選択します。

  4. 表示されたテキストボックスに gdm と入力します。保存を行なうため、 OK を押します。

  5. 最後にシステムを再起動してください。

3.4 LibreOffice で Type-1 フォントをサポートしない問題について

LibreOffice 5.3 では、古い形式である Type-1 フォント (.afm.pfb などの拡張子のフォントファイル) には対応しなくなりました。ほとんどのユーザにとって、この変更による影響はありません。なぜなら、現在提供されているフォントの多くは、 TrueType 形式 (.ttf) や OpenType (.otf) 形式のフォントであるためです。

もしもこの問題でお悩みの場合は、古い Type-1 フォントを TrueType などの形式に変換したあと、そのフォントをお使いください。変換は、 openSUSE 内に含まれている FontForge (fontforge パッケージ) で行なうことができます。また、このような変換をスクリプトで実施したい場合は、 https://fontforge.github.io/en-US/documentation/scripting/ (英語) をお読みください。

4 さらに詳しい情報とフィードバック

  • まずはメディア内の README 文書をお読みください。

  • また、特定のパッケージに対する詳細な変更点を RPM パッケージから表示するには、下記のコマンドを実行します:

    rpm --changelog -qp ファイル名.rpm

    ファイル名 の箇所を RPM の名前に置き換えてお使いください。

  • また、メディアのルートディレクトリには ChangeLog ファイルがあります。ここには、更新されたパッケージに対する全ての変更点が時系列順に並んでいます。

  • そのほか、 メディアの docu ディレクトリには、さらに詳しい情報があります。

  • それ以外にも、 https://doc.opensuse.org/ には追加/更新されたドキュメンテーションがあります。

  • openSUSE が提供する最新の製品ニュースを読むには、 https://www.opensuse.org をご覧ください。

Copyright © 2017 SUSE LLC

openSUSE をお使いいただき、ありがとうございます。

openSUSE チームより。

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